痛みとしびれ


痛みやしびれは身体が障害を受けていることを知らせる信号です。温度や刺激で発生した電気信号が神経を通して脳に伝わることで認識されます。いくつかある知覚のうち、痛覚のセンサーや神経が働くと痛みを感じます。通常は、体に悪影響が及ぶレベルの刺激以外は痛みとして感じないようになっていますが、神経が過敏になったり混線を起こしてしまうと、軽く触ったり水などが触れただけでも痛みを感じてしまいます。

神経が過敏になったり混線を起こす原因は、怪我や病気、ストレスなどです。怪我でも急性期は腫れて痛むのは普通ですが、2、3ヶ月経っても痛みや腫れが引かない場合には痛みが慢性化して、神経に異常が起こっていると考えます。何らかの原因で中枢神経(脳や脊髄)に炎症が起こると、そこに関連した部位、場合によっては全身に強い痛みが生じることもあります。

当院で行っている遠絡療法は、痛みの部位や症状を基にして、どの神経が障害を受けているかを判断します。その神経に関係する体内の循環を改善することによって、神経の炎症やダメージを修復し、痛みやしびれの症状を改善します。


痛みやしびれは、温度や刺激によって発生した電気信号が神経を通して脳に伝わることで認識されます。

 

原因となる刺激を発生させるのは身体と脳をつなぐ神経のいづれかの部分になりますが、大きく分けると身体の各部位にある侵害受容器(刺激のセンサー)、神経線維(侵害受容器と神経細胞をつなぐコード)、脊椎後根神経節(侵害受容器と脊髄の間の中継点)、脊髄(身体の各部位からの刺激をまとめる太い神経)、視床(脊髄と脳の中継点)、脳(刺激を痛みやしびれと知覚する神経)となります。

通常は侵害受容器(センサー)が刺激を受けることによって電気信号が発生しますが、神経が障害を起こすと経路の途中で電気信号が発生してしまいます。触らなくても動かさなくても痛い、という痛み(自発痛)は神経の途中に問題がある症状となります。

 

自発痛は多くの場合、後根神経節や脊髄後角、視床が問題を起こしています。頚椎症や脊柱管狭窄症などの脊柱の疾患によって脊髄や後根神経節がダメージを受けていることも少なくありません。視床が炎症を起こすと線維筋痛症などのように全身に痛みが生じます。

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

 

局所性の症状の場合は痛みのある部位が原因です。原因部位に対応した治療点(遠絡では患部と離れている点)を利用することによって障害部位の循環を高めます。これによって炎症を抑えるとともに修復に必要な物質を十分に供給することができます。遠絡療法を行うと怪我などの場合も早く治ります。

 

中枢性の症状の場合は原因部位の鑑別が必要です。はっきりした原因のない四肢の痛みの多くは脊髄が原因であり、しびれは脊髄と患部の間の神経線維が原因であることがわかっています。症状が1,2箇所ではなく全身であったり、あちこちにあるような場合は脊髄と脳の中継点である視床が障害されていることが考えられます。中枢性の痛みやしびれは症状のある部位と原因部位が異なるため外見からは判断できず、多くの場合は一般的な消炎鎮痛薬が効きません。近年は中枢神経の興奮伝達を抑える薬(リリカやガバペンなど)もよく使われていて効果もありますが眠気やふらつきなどの副作用があります。しびれに関しては効果的な薬がないのが現実です。

 

遠絡療法では原因となっている神経の部位に対応する治療点を利用して神経の炎症やダメージの修復を促進します。痛みとしびれの違いは障害の原因となっている流れの遮断の程度の差であり、滞っている状態では痛み、完全に遮断されて流れが届かない部分はしびれとして症状が発生します。

 

治療点の使い方(選び方と押し方)によって炎症を取り除いたり流れを再建したりすることができますので、痛みにもしびれにも対応できます。さらに身体中をくまなく通っていると考えられている経絡を応用するので頭の中や脊椎の中という本当の中枢部の治療も行えることが最大の特長です。

 

とくに原因のはっきりしない四肢(肩とか肘、膝、股関節etc..)の痛みは脊髄に対する遠絡療法で改善することが多く、1~数回の治療で十分なことも少なくありません。しびれについては脊髄の治療に加えて、しびれの出ている部分に対応した治療点を使って流れの再建をはかります。流れが回復するとしびれも収まっていきます。症状が長期にわたり炎症が慢性化している場合は、改善に時間がかかりますが必ず回復していくといえます。