帯状疱疹後神経痛(PHN)


帯状疱疹は水疱瘡と同じ原因の水痘・帯状疱疹ウィルスによって起こされる病気です。子供のころに罹患したウィルスは神経の根元(神経節)にずっとおとなしく潜伏していて、免疫抑制剤や大きなストレス、体調を崩すことで免疫力が低下した時に、ウィルスが復活して神経に沿って増殖します。

 

通常は皮膚の知覚異常やピリピリした痛みから始まり、その後皮膚に水疱が現れ、強い痛みを伴う症状となります。頭や胸腹部の神経に沿って現れることが多いですが、全身どこにでも出る可能性があります。頭や顔に出る場合は顔面神経麻痺や難聴、めまいなどを伴うこともあります。

 

皮膚の痛みは強烈で、とくに表面を触るとヒリヒリするような辛い痛みが生じるため、服を着替えたり、顔を洗ったりするのも困難となります。発疹と痛みは通常1ヶ月程度で収まりますが、その後も3ヶ月くらいは神経痛として痛みや違和感が残ることがあります。さらに慢性化してしまうと帯状疱疹後神経痛といわれ年単位で続く極めて治りにくい病気となってしまいます。帯状疱疹後神経痛はステロイドや抗癌剤などによる治療中の方や糖尿病、高齢の方はリスクが高くなり、10~15%くらいの方が慢性化してしまいます。

 

帯状疱疹は、症状が現れてからおよそ1週間以内であれば抗ウィルス薬が効いて症状を抑えることができる場合が多いため、神経に沿った皮膚のヒリヒリした感じや知覚鈍磨が出た場合は、発疹が現れる前でも皮膚科等を受診することが望ましいです。また、ワクチンによって帯状疱疹やその後の神経痛のリスクも半減できるようです。

 

帯状疱疹後神経痛はウィルスによって神経が直接障害されるため、症状に沿った神経が原因部位となります。

遠絡療法では神経に関連する流れが破壊されることによって激痛が現れていると考えていますので、経絡を応用した治療によって神経とその周囲の循環を改善し、神経の回復を速めていきます。神経が回復すると症状も収まっていきます。

遠絡療法による治療法

 

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

 

痛みに沿った神経が障害されていると考えられますが、遠絡療法ではさらに中枢側(脳と脊髄)からの治療を行います。ウィルスが潜伏していた神経節とその根元にある脊髄の血流と循環を高めることで、この部分に残るウィルスを追い出します。さらに脳をはじめ全身の血流と循環を増やすことで、ダメージを受けた神経が回復していく力を高めます。

 

症状が顔や頭にある場合は原因は第一頚椎レベルの脊髄の治療を行い、頭部への血流と循環を改善し、さらに三叉神経や顔面神経、内耳神経といった神経の治療も行います。腕に出ている場合は、症状に応じて頚椎・胸椎・腰椎レベルの治療を組み合わせます。痛みが足やソケイ部、陰部にある場合には、腰椎・仙椎レベルの治療を行います。

 

ダメージを受けた神経を治療することで症状はある程度改善することが多いのですが、神経自体が破壊されてしまう病気のため、本当の回復には時間がかかります。治療後に流れが回復するとしばらく痛みが治まり時間が経つとまた痛む、ということを繰り返しながら少しずつ症状が弱くなっていくことが通常の経過です。いままでの経験ではおよそ3ヶ月程度の継続治療で痛みは我慢できる程度に軽減することが多いですが、完全に回復するには1~2年はかかると考えられます。当院では遠絡療法に加えて、温熱療法や赤外線療法、必要に応じて運動療法等も合わせることによって、できるだけ早期の回復をはかっています。また、必要に応じて他の治療法の専門医や治療師を紹介して、協力して治療を行うことも致します。

 

症状の発症後、早期に治療を開始できるほど早い回復が期待できることから、一般的な抗ウィルス薬の治療との併用や退院後早期の治療開始が望ましいです。ただし数年、数十年の症状が改善する例も少なくありません。患者様の「なんとか治りたい」というお気持ちを最優先で全力で取り組みますので、希望をもって遠絡療法を検討ください。