痛みとしびれ


原因部位

痛みやしびれは身体の組織や神経が障害を受けたことによって感じる知覚であり、何らかの刺激によって発生した神経の興奮(電気信号)が脳に伝わることで症状として意識されます。原因となる刺激を発生させるのは身体と脳をつなぐ神経のいづれかの部分になりますが、大きく分けると身体の各部位にある侵害受容器(刺激のセンサー)、神経線維(侵害受容器と神経細胞をつなぐコード)、脊椎後根神経節(侵害受容器と脊髄の間の中継点)、脊髄(身体の各部位からの刺激をまとめる太い神経)、視床(脊髄と脳の中継点)、脳(刺激を痛みやしびれと知覚する神経)となります。遠絡療法では侵害受容器の障害は主に局所の症状、それ以降の神経の障害は中枢の症状として考えます。局所性の症状は怪我や外傷などが中心でわかりやすいのですが、中枢性の症状は神経がどのような状態になっていると痛みやしびれが発生するかということが正確にはわかっていません。(神経の断裂や脳出血などは別です。)そのため、一般的に治りにくい症状は中枢性の痛みやしびれとなります。

遠絡療法では神経に関連する流れが滞ることによって神経が炎症を起こしていると考えていますので(この炎症は検査ではあらわれないものです)、経絡を応用した治療によって神経とその周囲の循環を改善し、炎症を抑えて組織の修復を速めていきます。

遠絡療法による治療法

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

局所性の症状の場合は痛みのある部位が原因なので、原因部位に対応した治療点(遠絡では患部と離れている点)を利用することによって障害部位の循環を高めます。これによって炎症を抑えるとともに修復に必要な物質を十分に供給することができます。遠絡療法を行うと怪我などの場合も早く治ります。

中枢性の症状の場合は原因部位の鑑別が必要です。はっきりした原因のない四肢の痛みの多くは脊髄が原因であり、しびれは脊髄と患部の間の神経線維が原因であることがわかっています。症状が1,2箇所ではなく全身であったり、あちこちにあるような場合は脊髄と脳の中継点である視床が障害されていることが考えられます。中枢性の痛みやしびれは症状のある部位と原因部位が異なるため外見からは判断できず、多くの場合は一般的な消炎鎮痛薬が効きません。近年は中枢神経の興奮伝達を抑える薬(リリカやガバペンなど)もよく使われていて効果も出ていますが眠気やふらつきなどの副作用があります。しびれに関しては効果的な薬がないのが現実です。遠絡療法では原因となっている神経の部位に対応する治療点を利用して神経の炎症やダメージの修復を促進します。痛みとしびれの違いは障害の原因となっている流れの遮断の程度の差であり、滞っている状態では痛み、完全に遮断されて流れが届かない部分はしびれとして症状が発生します。治療点の使い方(選び方と押し方)によって炎症を取り除いたり流れを再建したりすることができますので、痛みにもしびれにも対応できます。さらに身体中をくまなく通っていると考えられている経絡を応用するので頭の中や脊椎の中という本当の中枢部の治療も行えることが最大の特長です。とくに原因のはっきりしない四肢(肩とか肘、膝、股関節etc..)の痛みは脊髄に対する遠絡療法で改善することが多く、1~数回の治療で十分なことも少なくありません。しびれについては脊髄の治療に加えて、しびれの出ている部分に対応した治療点を使って流れの再建をはかります。流れが回復するとしびれも収まっていきます。しかしながら痛みもしびれも症状が長期にわたり炎症が慢性化している場合には改善に時間がかかります。MRIやCT、その他神経学的な検査で原因がわからない場合や、原因がわかっていても保存療法でなんとかしたいという希望をお持ちの場合は、早めに治療にかかることをおすすめいたします。