パーキンソン症候群


パーキンソン症候群・パーキソニズムとは、安静時振戦(ふるえ)、アキネジア(無動)・寡動、筋強剛(筋固縮)、姿勢反射障害を主な症状として、ほかに四肢体幹の屈曲位、すくみ現象、小刻み歩行などの症状が出ることをいいます。

主な原因疾患としてはパーキンソン病をはじめとした神経変性疾患、脳血管障害や脳炎後遺症、正常圧水頭症、アルツハイマー病など変性疾患以外によるもの、薬剤の副作用によるものなどがあります。

 

身体の動きを調整する中脳黒質、線条体、大脳基底核、視床下核などが障害されることによって、動きに調整が効かなくなることで現れる症状です。神経の障害の範囲と程度によって症状や経過が異なりますが、進行性の神経変性疾患(パーキンソン病、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症など)については、対症療法によってできるだけ進行を抑えることが中心で現在も治療法が確立していません。その他の疾患によるもので神経の変性がない場合は原因を取り除くことができれば回復することが多いです。

 

遠絡療法では障害部位に関連する流れが滞ることによって神経が炎症したり圧迫を受けて機能低下を起こしていると考えています。(この炎症は検査ではあらわれないものです)経絡を応用した治療によって神経とその周囲の循環を改善し、炎症を抑えて組織の修復を速めていきます。神経細胞の変性がない場合は回復を目標とし、変性している場合は症状の進行を抑制し、神経伝達経路の再構築を促すことによって症状の緩和、改善をはかります。

遠絡療法による治療法

 

パーキンソン症候群の主な原因中枢は、脳、基底核、黒質、線条体や脳幹(橋、延髄)と考えます。

疾患により細胞が変性・脱落している場合と血流の欠乏と循環状態の悪化により機能低下を起こしている場合があります。

 

遠絡療法では、まず脳に血液を供給する血管(主に頚部の動脈)を拡張して血流を増やすことに加えて、脳および脳幹の細胞周囲の微小循環の活性化と脳から血液を運び出す血管(主に頚部の静脈)の働きを高めて、脳・脳幹の血流と循環状態の改善をはかります。さらに障害部位に対応した治療点を応用して、脳・脳幹の神経細胞に関係する流れの滞りを取り除き、炎症があればそれを抑えます。

脳卒中や神経変性疾患による神経細胞の脱落や変性の場合はこれを完全に回復することはできませんが、治療を行うことで症状の進行を抑えることや、場合によっては改善に向かうことも少なくありません。この場合は状態維持のために定期的な継続治療が必要です。

 

神経変性がない場合は、基底核や中脳黒質、線条体、脳幹の炎症や循環不全によって神経伝達異常が起こっています。

この場合は炎症を抑えるために少し時間がかかりますが、回復する可能性は高いと考えます。程度にもよりますが数回の治療で改善を実感できることも多いです。

 

日常生活の疲労やストレスは交感神経を興奮させて脳への血流を減らすことから、回復を速めるためには交感神経が興奮し続ける時間を少なくすることが大事で、これには趣味や好きなことをするなど心身がリラックスして副交感神経が高まることや適度な運動や規則正しい生活が効果的です。

 

遠絡療法では原因となっている脳、基底核、中脳黒質、線条体、脳幹、頸椎の神経に対応する治療点を利用して、神経細胞の循環不全や炎症の除去、ダメージの修復を促進しますので、日常生活を気をつけることと合わせることで、効果的に症状を改善させることができます。

 

神経難病は対症療法以外には治療法が確立できていないことが多く、進行性の疾患の場合は進行を遅らせることができても徐々に悪化する可能性が高いのが現状です。いろいろな治療法がそれぞれ改善例をもっていますが、どれが正解とは言えないと思います。

 

遠絡療法は他の治療の効果を邪魔するような機序はありませんので、それぞれ合いそうな治療法と併用することで相乗効果を期待できます。QOLをできるだけ維持できるような治療法として役立てるよう探求を続けます。