実際の治療症例  脳卒中後遺症・視床痛


  1. 脳出血後遺症 左片麻痺と手足の灼熱痛 50代男性
  2. 脳卒中後遺症 手足の痛み 40代男性
  3. 脳幹出血後遺症 顔の痛みと麻痺 50代男性
  4. 頭部外傷 全身痛、首下がり症候群 60代女性
  5. 視床痛・脳卒中後遺症 40代男性
  6. 脳卒中後遺症 顔と手足の痛み 50代女性

ケース1 視床痛・脳卒中後遺症 50台男性

症状  脳出血発症後、左半身の重度の麻痺を生じて車椅子の生活と言われたが、必死にリハビリに取り組み言語、手足の運動は7割くらい回復した。発症後しばらくしてから左腕と左足にドライアイスをあてられているようなヒリヒリ、しみるような痛みがあらわれた。常に痛みがあり特に肘から先と膝から下は何かが触れると火傷のような激痛がある。視床痛という診断を受け、一般的な消炎鎮痛剤、抗てんかん薬、抗不安薬等を内服するがあまり効果がなかった。針や整体なども受けたが改善せず、できるだけ薬などは使いたくないと考えている。
経過

出血による障害があったと考えられる右側の大脳と視床の神経線維の障害が原因と判断し、脳と脳幹部の循環改善による神経線維の修復促進を目的に遠絡療法を施療。初回治療後には痛みについては大きな改善はみられなかったが、手足の可動域やこわばりの改善、手足のしびれと冷感の緩和がみられた。治療を続けることで痛みも緩和していくような感触が得られたため、月2回程度の継続治療を行うこととした。脳神経細胞の問題のため完全に症状をなくすことは難しいが、循環状態の改善により痛みやしびれも和らいでいくものと推測される。

感想

 

ケース2 脳卒中後遺症 手足の痛み 40台男性

症状  脳出血発症後、麻痺は回復したが左側の手足にヒリヒリするような気持ち悪い痛みが残る。病院では視床痛という診断を受け、一般的な消炎鎮痛剤、抗てんかん薬、抗不安薬等を内服するがあまり効果がなかった。
経過

出血による障害があったと考えられる右側の大脳と視床の神経線維の障害が原因と判断し、脳と脳幹部の循環改善による神経線維の修復促進を目的に遠絡療法を施療。初回治療後には左上肢の痛みは消失、左下腿の痛みは半減した。脳神経細胞の問題のため完全に症状をなくすことは難しいと思われたため、1ヶ月に1回程度の継続治療によって痛みが出ない状態をキープしている。

感想

手足の麻痺はないので日常生活動作や仕事はこなすことができていたが、常に左手足に痛みがあって集中力や気力が削がれている感じがあって暗い気持ちだった。遠絡療法を受けると治療直後には痛みがなくなって体が軽い状態がしばらく続くので、精神的にも非常に安定して仕事もすることができるようになった。

ケース3 脳幹出血後遺症 顔のしびれと麻痺 50台男性

症状  脳幹出血を発症し救急搬送、治療によって意識回復し、脳機能障害や四肢の運動麻痺などの重大な後遺症は免れたが、顔面(特に右側)の麻痺としびれ、舌のしびれ、左手の感覚異常亢進としびれが残存した。病院では、幸運にも大きな後遺症が起こらずに済んだので地道にリハビリを続けるように言われて続けていたが残った症状の改善が進んでいない。
経過

脳および脳幹部の血流と循環を増やして神経細胞の機能回復をはかる目的で施術を開始。週1回の治療で3ヶ月後には初診時の症状の3割程度に安定した。舌と左手の感覚異常はかなり改善、顔のしびれも夕方にすこし気になってくるくらいの状態まで回復した。出血によって完全に損傷した神経細胞は回復困難だが、周囲で圧迫などによって機能不全を起こしている細胞の状態が改善したと考えられる。

感想

命を取り留めただけでも幸運なので細かいことはあまり気にしないように、ということはわかってはいるものの、実際に症状が常にあると気分も落ち込んで絶望的な気持ちになってしまっていた。症状はほぼ治らないと言われていたが、いろいろな治療法を探して遠絡療法にたどり着くことができてよかった。症状が落ち着いてくると気持ちも前向きで明るくなってきた。

ケース4 頭部外傷 全身痛、首下がり症候群 60台女性

症状  犬の散歩中にバイクにはねられて頭部を損傷。脳挫傷の診断で保存的に治療を受けていたが、頭痛、めまい、耳鳴りが続き、しばらくして首や背中が痛むようになり手足にジンジンするような何とも言えない痛みが広がった。さらに頭が前に下がってしまうようになり自分の手で顎を支えないと前を向いていられなくなった。このため背中も大きく曲がってしまい日常生活にも大きな支障となっている。院では治療の方法はないといわれている。
経過

全身の痛みは脳内の視床の障害によるものと考えられる。また、首が下がってしまう症状は延髄と副神経(頸の後ろ側の筋肉のはたらきに関与している神経)の障害と判断して遠絡療法で視床および脳幹部の治療を中心に行った。脳挫傷によって脳内の循環不全などが続き、慢性的な神経系の炎症を起こしていると考えられる。視床や脳幹部の改善は比較的長期間の治療が必要となることが多いことから、週1回程度の治療を続けたところ1ヶ月程度で認知機能や気分障害の改善が見られてきて、その後は耳鳴りやめまいの頻度も下がってきた。全身の痛みも少しずつ弱まり、あまり気にしなくても済む時間が出てきた。睡眠もとれるようになった。3ヶ月頃から少し頭を持ち上げられるようになってきたが、首下がりの症状改善には半年~1年くらいかかると考えられる。

ケース5 視床痛・脳卒中後遺症 40台男性

症状  脳出血発症後、左側の手足のこわばりと左半身に耐え難いような気持ち悪い痛みが残る。特に起きているときには常に痛みがあり、胸やわき腹、腕、すねは何かが触れると火傷のような痛みがある。視床痛という診断を受け、一般的な消炎鎮痛剤、抗てんかん薬、抗不安薬等を内服するがあまり効果がなかった。針や整体なども受けたが改善はしていない。
経過

出血による障害があったと考えられる右側の大脳と視床の神経線維の障害が原因と判断し、脳と脳幹部の循環改善による神経線維の修復促進を目的に遠絡療法を施療。初回治療後には痛みが半減し、2~3日間は軽い状態が続いた。その後痛みは戻ってきたが、週1回の継続治療によりもともとの痛みが緩和され、常に感じていた痛みを考えなくて済む時間が増えてきた。脳神経細胞の問題のため完全に症状をなくすことは難しいが、循環状態の改善によりこわばりも和らいでいくものと推測される。

感想

仕事はこなすことができていたが、常に痛みを感じていて精神的にまいってしまう寸前の状態だった。遠絡療法を受けると痛みが軽い状態がしばらく続くので精神的にも安心できるようになった。

ケース6 脳卒中後遺症 手足と顔の痛み 50台女性

症状  3年前に脳出血発症後、手足のこわばりと感覚の鈍さ、顔と手足に火傷したような痛みが残った。視床痛という診断を受け、痛み止めや神経障害の薬、抗不安薬等を内服するがあまり効果がない。睡眠薬を使ってなんとか睡眠をとっているが、常に痛みを感じていてつらい。
経過

障害があったと考えられる右側の大脳と視床の神経線維の障害が原因と判断し、脳と脳幹部の循環改善による神経線維の修復促進を目的に遠絡療法を施療。初回治療後には手足が軽くなり動きがよくなった。翌日は朝から痛みが軽い状態が続き、薬なしで眠れる日が3日程度続いた。その後、手足のこわばりと痛みは少しずつ戻ったが、治療によって回復する可能性が感じられた。完全に症状をなくすことは難しいと考えられるが、定期的な継続治療によって調子のいい状態が維持できている。

感想