実際の治療症例  帯状疱疹後神経痛の症例


  1. 帯状疱疹後神経痛 胸部の痛み 60代男性
  2. 帯状疱疹後神経痛 顔・頭の痛み 70代女性
  3. 帯状疱疹後神経痛 顔の痛みと麻痺 70代女性
  4. 帯状疱疹後神経痛 陰部の痛み 40代男性
  5. 帯状疱疹後神経痛 腰から足の痛みと麻痺 70代男性
  6. 帯状疱疹後神経痛 側胸部の痛み 70代男性

ケース1 帯状疱疹後神経痛 胸部の痛み 60台男性

症状  左側胸部に帯状疱疹罹患、抗ウィルス薬ですぐに対処できたため重度の神経痛には移行せずに済んだが、2ヶ月くらい経っても左のわき腹にヒリヒリした痛みが残ってしまった。
経過

帯状疱疹ウィルスによって傷害された神経の修復を目的に遠絡療法を施療。痛みのあるレベルの脊髄と脊髄神経と全身の状態改善を目的として脳幹部への治療を行った。初回治療後には全身がとても軽くなり、左側胸部の痛みは半減。3回の治療で痛みはほとんど感じなくなった。そのほかに日常的な首肩の痛みやこりが軽くなった。

感想

常にヒリヒリした感覚で気持ち悪く、集中力や睡眠に問題が出てきていたので、痛みが無くなって楽になった。仕事柄無理な体勢で長時間いることが多いので首肩や腰の痛みやこりが慢性的にあったが、それも全体的に軽くなって身体が元気になったように感じる。いろいろな症状がいっぺんに改善できてよかった。

ケース2 帯状疱疹後神経痛 顔・頭の痛み 70台女性

症状  左頭部・顔面部の帯状疱疹に罹患、すぐに抗ウィルス剤治療を受けて発疹は1週間程度で消えたが、痛みとしびれが残りリリカ、ノイロトロピン服用。さらにペインクリニックでブロック注射を受けたが改善せず、鍼治療も受けているが2ヶ月後にも改善していない。左目周囲から左頭部、頚部にかけて周期的にビリッという電撃痛と耳の奥に鈍痛があり、夕方から夜にかけて特に強くなる。
経過

第1、2頚椎の神経が帯状疱疹ウィルスによって障害を受けたと判断し、頚髄および延髄に遠絡療法で神経の修復をはかる治療を行った。また、帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症するため、免疫力や自律神経機能を高めるために間脳も治療対象に追加した。初回の治療後は3日間くらい強い痛みが収まった。その後痛みはやや戻ったが、週1回の治療を継続したところ、徐々に痛みが弱くなり、6回で痛みが消失した。

感想

 

ケース3 帯状疱疹後神経痛 顔の痛みと麻痺 70台女性

症状  年末に右側の顔と頭に違和感を感じたがしばらく放置、その後激しい痛みと腫れ、右側の顔が麻痺し救急にて帯状疱疹と診断され、そのまま入院となる。年明けに退院したが右側の顔の痛みと麻痺が残ってしまった。
経過

遠絡療法では頭の帯状疱疹による神経痛は第1頚椎レベルの脊髄に問題が起こっていると考えており、この場合の顔面の麻痺は脳幹部にある顔面神経の障害が原因と考える。第1頚髄と脳幹部を中心に遠絡療法を施療。初回治療後には顔の痛みは半減、右側の顔の筋肉も少し動くようになった。自宅でのセルフケア(両手の指の数箇所を1分くらい押す方法)と週2回の治療を3週続けたところ完全に症状が消失し治療終了となった。

感想

顔の痛みは普通の生活ができなくなるくらい辛い症状で、麻痺は眼も口も閉じない状態だったので家の外に出ることもできなかった。先の人生が真っ暗になってしまったと思って本当に落ち込んだが、最初に治療してもらってから1ヶ月も経たない間に完全によくなったので本当に良かった。教えてもらったセルフケアは脳の循環を少し改善する方法で、血流がよくなる効果が期待できることから睡眠障害や認知症予防などにも効果があるというので、帯状疱疹後神経痛が治った後も続けて行っている。

 

ケース4 帯状疱疹後神経痛 陰部の痛み 40台男性

症状  9ヶ月前に帯状疱疹を罹患、下腹部から下肢にかけて発疹と痛みがでた。抗ウィルス薬によって腹部と下肢の症状は消失したが、陰部に痛みが残ってしまった。服に触れたりするとヒリヒリするような痛みがあり、常に気になってしまっている。
経過

陰部の痛みの原因は尾椎レベルの神経の障害と考え、神経の回復と全身の状態改善を目的に遠絡療法を施療。脳幹部の状態改善により全身の治癒力や免疫力を向上し、尾椎レベルの神経の状態を改善し痛みを抑える治療を行った。初回治療後に陰部の痛みはほぼ消失。3日くらいは効果が持続したが症状が戻ってきた。その後週1回のペースで継続治療を行なっているが、痛みは最初の2割くらいのレベルで一進一退を続けている

感想

病院にも相談しにくい痛みで、診てもらっても鎮痛剤くらいしか出してもらえなかったので、いろいろな治療法を探して遠絡療法をみつけた。痛みのあるところではなくて手足やお腹を押したりレーザーを当てたりすることで痛みが軽くなったので驚いた。痛みは少し残っているが、常には気にならないので日常生活も楽になった。

ケース5 帯状疱疹後神経痛 腰から足の痛みと麻痺 70台男性

症状  1年前に腰から下肢の外側にかけて帯状疱疹を発症、病院で治療を受け発疹は治ったが腰から臀部にかけての痛み、脛の外側の痛み、足首の筋力が低下してつま先が下がってしまうような症状が残ってしまった。ブロック注射や薬で痛みはあまりとれず、足首が下がっているために歩きにくい。
経過

帯状疱疹でダメージを受けた腰の神経と下腿の運動神経の回復のために遠絡療法を施療。初回の治療で痛みは多少緩和した。週1回のペースで3か月ほどで痛みがかなり弱い状態で維持できるようになり、足首が上げられるようになってきた。リハビリや自宅でのケアを行い、良好な状態を維持できている。

感想

痛みが緩和するだけでなく、足の麻痺まで回復してきて驚いた。歩きやすくなったためウォーキングなども始めている。

ケース6 帯状疱疹後神経痛 側胸部の痛み 70台男性

症状  悪性リンパ腫をわずらい抗がん剤治療を行い寛解していた。3年前に胸部に帯状疱疹を発症、すぐに点滴治療を受け、予防的にペインクリニックにもかかったが痛神経痛が残ってしまった。痛みがとても強いため、ペインクリニックでは麻薬系の痛み止めを内服している。
経過

帯状疱疹のダメージを受けた背中から肋間神経に沿って遠絡療法を行った。初回治療の翌日に痛みが3割くらい緩和し数日楽な状態になった。その後痛みは戻ったが、治療すると痛みが緩和する日が数日続くため継続して治療を行った。3ヵ月くらいで痛み自体は半減していたが、体調を崩したことをきっかけにして痛みが再発した。その後は痛みの緩和が芳しくなく、胸部や背中の筋肉も固まって痛みの悪循環となっていたため、ストレッチやリハビリなどの物理療法も合わせて行った。痛みや息苦しさの緩和は見られたが、体力的に困難となり継続中止となってしまった。根気よく続けていくことで改善する希望はみられていたが、麻薬系の鎮痛薬が効かないくらいの痛みと体力が低下していたためにとても難しい症例といえる。

感想