睡眠障害(不眠症・過眠症)


睡眠障害には不眠と過眠があります。不眠症の方が一般的なイメージですが、実際に日本人の20%超が睡眠の状態や質に満足していないという調査結果があります。不眠には主に次のタイプがあり、いくつか複合して現れることもあります。

 

 1)  なかなか眠りにつけない…入眠障害

 2)  夜に何度も目が覚めてしまう…中途覚醒

 3)  早く目が覚めてしまいその後眠れない…早期覚醒

 4)  しっかり眠れた気がしない…熟眠障害

 

一般的には環境や生活習慣、ストレス、痛みや頻尿などの症状によると考えられています。

 

一方、過眠とは睡眠はとっているはずなのに日中耐えられないくらいの眠気があったり、実際に居眠りをしてしまう障害です。いくつかのタイプがありますが、主症状は日中の強い眠気と居眠りです。

 

 1)  ナルコレプシー …若年発症が多く、比較的短時間の居眠りを繰り返す。

               体の力が急に抜けたり、睡眠と覚醒の境目が不明瞭で金縛りなどを訴えたりもします。

 2)  特発性過眠症 …比較的長時間の居眠りを繰り返し、眠ってもすっきりしないことが多いです。

               夜も普通より長い時間睡眠をとっていることが少なくありません。

 3)  反復性過眠症 …過眠症の症状が数日から数週間の期間で発症して自然に消退します。

               一部はその後も不定的に繰り返されることがあります。

 

不眠症の結果として生じている場合もありますが、若年層での発症が多いことから脳内の睡眠を調整する神経系統に何らかの異常があることも考えられます。

 

遠絡療法では、不眠も過眠も脳内の神経に関連する流れが滞ることによって機能不全を起こしていると考えています。

 

特に第一頚椎部分での循環障害によって脳からの還流不全が発生し、睡眠や自律神経の中枢のある視床や視床下部、メラトニンの分泌を行う松果体、覚醒・意識や生体維持機能の中枢である脳幹部の神経細胞の機能不全が起こります。これにより知覚の閾値が低下すれば普通であれば感じることのない刺激を強く感じて、なかなか眠れなかったり夜中に何度も目が覚めてしまったりします。

 

また脳幹部には知覚神経が刺激を感じることで意識を覚醒する機能があるため、一度目が覚めてしまうと眠れなくなります。反対に知覚の閾値が上昇しすぎたり神経伝達機能が低下すれば強い眠気が生じたりなかなか目が覚めなくなってしまいます。さらにホルモン分泌や自律神経の機能も乱れてしまうためさまざまな要素が絡んだ症状となります。

 

治療では経絡を応用した手技によって、第一頚椎の滞りと原因となっている中枢と周囲の循環を改善し、機能低下を起こしてる原因を取り除いていきます。

遠絡療法による治療法

 

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

多くは第一頚椎での流れの滞りによって脳内に循環不全が発生していることが原因となっていますので、まずは第一頚椎の詰まりを取り除きます。さらに還流不全によって視床や視床下部、松果体、脳幹部に蓄積した代謝産物を取り除くと共に、血流をはじめとした循環を高めることによって酸素や栄養などを送り込み、細胞の環境を整えます。軽度の睡眠障害であれば比較的早期に改善が見られることもすくなくありません。

 

また、視床下部や下垂体、脳幹部は自律神経や内分泌、生命維持の機能を調整する神経の中枢なので、この部分の機能不全はさまざまな症状を併発していることがほとんどです。治療によって同部位の機能改善を行いますので、睡眠障害の治療と同時に自律神経の乱れや体温調整異常などの不調の改善や免疫力が高まり活力がでてくる効果も期待できます。

 

近年は睡眠導入薬が簡単に手に入るため、非常に多くの方が薬に頼っています。短期間やたまに使うだけならば問題はありませんが、睡眠障害は長期間に及ぶことがほとんどのため、服薬も常用化してしまい薬が手放せなくなってしまう方も多いです。副作用も少ない薬や生理機能に近い働きをもつ薬も出ていますが、完全に無害である薬は存在しないといえます。できれば薬に頼らず必要な睡眠がとれれば理想的だと思いますので、反応をみながら治療も調整させて頂きます。

 

睡眠は生活の基本であり、障害されると日常生活や健康にも少なからぬ影響を及ぼします。健やかな生活のためにも、体の本来の機能による改善をはかる遠絡療法を治療法のひとつとして考えてみて頂きたく思います。