筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (ME/CFS)


筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、脳と中枢神経の機能障害によって起こる複雑な慢性疾患です。主な症状は、激しい疲労や衰弱、睡眠障害です。さらに免疫、神経、認知機能、自律神経等の障害や、全身の筋肉痛や関節痛なども起こることがあります。

 

少し動くだけで強い疲労に襲われるため日常生活に重大な支障をきたします。休みながら家事や労働ができるといった軽~中等度から外出困難や寝たきりのような重症例までさまざまな状態があります。

欧米の研究によって神経免疫異常による脳内の炎症が原因ということがわかってきています。脳内の炎症によって細胞のエネルギー代謝や神経、免疫、内分泌系等の調節異常が起こります。中枢神経の問題が原因となるため、症状は全身性の複雑なものとなり、さらに個人差が大きく現れます。脳内の炎症の部位によって線維筋痛症を合併することも少なくありません。

 

在、一般的な医学では確立した治療法が存在しないため、進行を抑えるための保存療法や経頭蓋磁気療法などが中心に行われています。従来の運動療法や認知行動療法は症状を悪化させる場合もあります。

 

 

当院で行う遠絡療法は、東洋医学を応用することによって中枢神経の炎症を抑えます。さらに脳内の循環を高めて神経機能を回復し、症状を改善していきます。経絡の応用によって脳の深部や脊髄までアプローチすることができるので、一般的には治療困難な原因部位に対応できます。

 

基本的に横になった安静な状態で行います。

施術時間中(40~50分)に持続的に身体を温め、体温を少し上昇させながら全身の循環を高める治療を行っていきます。循環とともに体温が上がることで、免疫機能や自然治癒力、自律神経調整機能が高まり、症状からの恢復を早めます


ソフトレーザーで脳幹(延髄)や頚髄の炎症を抑えていきます。

特に第一頚椎(アトラス)は、頭と首のつなぎ目の部分であり、脳にも大きな影響をもちますので、重点的に治療を行います。


自律神経の調整のために胸椎や腰椎の治療も行います。

機能不全を起こしている臓器によって、治療する部位を調節します


専用の棒を使って、脳内に対応した治療点(ツボ)を押していきます。脳内の炎症を抑えて、循環を高め、弱った脳の機能を回復していきます。


スーパーライザー(近赤外線)を用いて、星状神経節や上頚神経節(交感神経の中継点)、首や背中の脊柱などの治療を行います。

光と温熱によって交感神経を落ち着かせ、全身の循環を高めます。



筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群は複雑で広範な機能障害を伴う神経系疾患であり、病態は細胞のエネルギー代謝、及び神経、免疫、内分泌系等の調節障害です。

中心症状は、軽度の作業でも急激に起こる極度の疲労や消耗と症状悪化、それが回復するまでに24時間以上かかり、ぶり返すとさらに持続することです。疲労で障害されるのは身体機能と認知機能があり、重症では音も光もない暗い部屋のベッドに寝たきりという場合もあります。さらに重度の睡眠障害によって回復できません。

 

ほかに情報処理機能障害(計算や読解)、短期記憶障害、全身の痛み、知覚異常、運動障害、免疫低下、消化器症状、頻尿、過敏症、ふらつき、めまい、動悸、起立性調節障害、呼吸困難感、低体温、発汗異常、温度不耐性などの症状も併発することがあります。全身の痛みを主訴とした線維筋痛症を合併する方も少なくありません。

 

現在は確立した治療法が存在しないため、進行を抑えるための保温療法や経頭蓋磁気療法などが行われており、効果のある治療薬などの研究が切望されます。従来の運動療法や認知行動療法、薬物療法は症状を悪化させる場合もあるため、この疾患が疑われる場合は専門医の診察を受けることが重要です。

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

 

中核となる疲労や消耗、睡眠障害は視床や視床下部の機能異常が原因であり、全身の痛みは視床や脳幹、認知機能や情報処理機能は扁桃体や海馬、大脳辺縁系の機能障害が関与します。また全身の機能障害や調整障害は脳幹や脊髄の障害も関係します。

中枢神経系が広範に炎症を起こしていると考えますので、遠絡療法ではまず脳に血液を供給する血管(主に頚部の動脈)を拡張して血流を増やすことに加えて、脳および脳幹の細胞周囲の微小循環の活性化と脳から血液を運び出す血管(主に頚部の静脈)の働きを高めて、大脳・視床・脳幹の血流と循環状態の改善をはかります。さらに障害部位に対応した治療点を応用して、大脳、視床、視床下部、脳幹の神経細胞に関係する流れの滞りを取り除き、炎症があればそれを抑えます。

視床、視床下部、脳幹は脳の奥に存在する為、炎症を抑えるために少し時間がかかりますが改善または症状進行の抑制が期待できます。

 

休みながらであれば少しの外出や家事はできる(軽~中等度)、症状が痛み中心(軽~中等度の線維筋痛症)の場合は遠絡療法が主な適応になりますので、診断を受けている場合や疑いの場合、自覚的に心配されている場合はぜひご相談ください。

 

この病気は日常生活の中で使えるエネルギーが減少していることから、エネルギーをセーブして使い切らないことが大切です。無理をしても良くなることはないばかりか悪影響となることが多いので、自分自身の中での強い運動や仕事は禁物です。

 

ストレスは交感神経を興奮させて脳への血流を減らすことから、回復を速めるためには交感神経が興奮し続ける時間を少なくすることが大事で、これには体力を消耗しない趣味や好きなことをするなど心身がリラックスして副交感神経が高まることや規則正しい生活が大切です。(運動などは症状を悪化させない範囲で行います。とにかく体力を使い切らないことです。)。

 

複数の原因が絡みあって症状を形成していることが多いことから、回復のためには、治療・セルフケアにおいてできるだけ多くの要素のケアをカバーしていくことが必要です。各要素の回復具合やバランスをみながら徐々に通常の生活に近づけていくことを目指します。

 

筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME/CFS)は、何らかの原因によって脳内に神経炎症が生じ、それが全身のさまざまな系統に波及している極めて複雑な病態と考えています。当院では原因部位に重点を置きつつ、全身の状態を改善する治療を行います。

 

遠絡療法の主なアプローチ法である経絡を中心に、

神経、内臓、循環、免疫、内分泌などの系統を調整します。

 

また、温熱療法やスーパーライザーを合わせることによって、精神的な安定をはかっていきます。症状によっては筋骨格系も手技で調整します。


 

遠絡療法では原因となっている神経に対応する治療点を利用して、神経細胞の循環不全や炎症の除去、ダメージの修復を促進しますので、日常生活を気をつけることと合わせることで、効果的に症状を改善させることができます。また、遠絡療法は副作用がない治療のため、ペインクリニックや神経内科で処方される内服薬を服用しながらでも並行して治療を行うことができます。