自律神経失調症


人間の身体をコントロールしている神経には大きく分けて3つあります。身体を動かすための運動神経、身体の内側や外界からの刺激を認識する感覚神経、生命活動を維持するための各器官の活動をコントロールする自律神経です。

このうち自律神経は自らの意識とは関係なく常に働いて、生命活動を維持しています。自律神経には脈拍や呼吸数、体温を上昇させて身体がすぐに活動できるようにするための交感神経と、睡眠や休息を行う時に活性化し、脈拍や呼吸数の低下、身体の弛緩など、身体をリラックスさせ、休息に適した状態にするための副交感神経があり、両者が常にバランスを取って働くことで全ての生命活動が健全に維持されます。

 

健康な状態ではこれら相反する2つの神経活動のバランスが保たれ、身体は問題なく休息と活動のそれそれに適した状態に移行します。しかしなんらかの理由によってこれらの神経活動の調和が崩れると、休息し眠りたいのに交感神経が活性化してしまい異常な興奮や発汗で眠れない、または反対に副交感神経が過剰に活発化して、活動が必要な状況になっても極端な無気力になるなどの症状が現れます。自律神経の中枢は脳の中の視床下部というところにありますが、この場所は情緒や不安、怒り等の中枢とされる辺縁系とも密接に関わることから身体だけではなく心の症状も関係してきます。

 

また、血管など循環系のコントロール不全は、血圧や血流量の低下を引き起こすことから、起立性調節障害や全身の筋肉や内臓の痛みなどの身体症状もあらわれることがあります。

 

さまざまな要因がきっかけとなりますが、頭や首の怪我や病気、内分泌疾患、過労やストレスなどによって脳への血流と脳内の循環が低下することで、中枢である視床下部が障害されてしまい、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて自律神経失調症のさまざまな症状が起こります。

 

遠絡療法による治療法

 

自律神経失調症の症状といわれているような症状があり、他に原因が特定できない場合は、主に脳の中の間脳(視床・視床下部・脳下垂体)が障害されていると考えます。

間脳が障害される原因は、主に血流の欠乏と循環状態の悪化でにより栄養が不足し不要物が蓄積されて機能低下を起こすことが多いです。

 

遠絡療法では、まず脳に血液を供給する血管(主に頚部の動脈)を拡張して血流を増やすことに加えて、間脳の細胞周囲の微小循環の活性化と脳から血液を運び出す血管(主に頚部の静脈)の働きを高めて、間脳の血流と循環状態の改善をはかります。さらに間脳に対応した治療点を応用して、間脳の神経細胞に関係する流れの滞りを取り除き、炎症があればそれを抑えます。

 

症状の多彩さに較べて、改善は比較的早く感じられることが多く、継続的に治療を行うことで交感神経と副交感神経のバランスが整い、健全な状態になっていきます。間脳の障害の程度が不要物の蓄積程度であれば数回の治療で改善しますが、慢性的な炎症を起こしている場合は、炎症を抑えるために少し時間がかかります。

 

また日常生活の疲労やストレスは交感神経を興奮させて脳への血流を減らすことから、回復を速めるためには交感神経が興奮し続ける時間を少なくすることが大事で、これには趣味や好きなことをするなど心身がリラックスして副交感神経が高まることや適度な運動や規則正しい生活が効果的です。

 

遠絡療法では原因となっている視床下部に対応する治療点を利用して、神経細胞の蓄積や炎症の除去、ダメージの修復を促進しますので、日常生活を気をつけることと合わせることで、効果的に症状を改善させることができます。