頚椎症


首の骨の変形によって起こる疾患です。

首や肩の痛み、背中の痛み、腕の痛みや痺れが中心ですが、症状が酷い場合は何もできなくなるような激痛となったり、手足の麻痺やこわばり、排尿や排便に問題が起こることもあります。


痛みやしびれは、神経の流れが滞って循環不全や炎症が起こることによって発生します。神経の流れの滞りの原因は、悪い姿勢や偏った筋肉の酷使、ストレスによる血流不良などが多く、はじめは肩こりや痛み、しびれなどの症状だけが現れますが、これが長期間に及ぶと、骨や靭帯が変形を起こしていきます。頸椎症の症状の多くは頸の神経が原因となりますが、症状によっては胸椎や腰椎の部分で神経が滞りを起こしていることもあります。

症状の直接的な原因は神経の滞りによる炎症や循環不全です。そこで当院では滞りのある神経の流れを回復させて症状を改善していきます。この治療に用いる遠絡療法は、身体の奥にある神経を体外から遠隔的に治療する方法です。神経の滞りが改善して正常な機能を回復すると痛みやしびれはなくなっていき、骨や靭帯に変形がある場合でも、その多くは症状が改善します。


頚椎の変形は各脊椎の間にあり、脊椎同士をつなぐとともにクッションとして安定性と負荷軽減の役割をしている椎間板や、脊椎同士の関節で起こります。

 

頚椎症の変形による首や肩の痛みに加えて、首の脊髄や脊椎神経が圧迫されて腕や手指などに痛みやしびれなどの症状が現れます。原因の多くは加齢や悪い姿勢、使いすぎによるもので40代以降の方に起こりますが、その他の原因によっても引き起こされます。

 

頚椎症は、頚椎の変形と神経圧迫の程度によって頚椎症、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症の3種類に分けられています。加齢や姿勢が原因となりやすいことは全てに共通していますが、変形のみの場合は頚椎症、変形によって脊髄が障害されている場合は頚椎症性脊髄症、脊髄から分岐した脊椎神経根が障害されている場合は頚椎症性神経根症と鑑別されます。

 


現代ではパソコンやスマートフォンの使用やデスクワークによって長時間にわたり無理な姿勢(猫背で頭が前の方に出てしまう姿勢)を続けることで、首に大きな負荷がかかり症状を悪化させることが少なくありません。場合によっては子供や若い人にも発症する可能性があります。

頚椎症性脊髄症は、

鈍痛や腕・指の「痺れ」から始まることが多いです。症状が現れる範囲は脊髄が圧迫されている場所によって異なりますが、腕から手だけでなく、体幹や下肢にかけても現れます。脊髄症は片側のこともあれば両側(強弱はあります)の腕から手、下肢症状がでてきます。日常生活では洋服のボタンをとめたり、本のページをめくったり、箸を使ったりといった指先の細かい動作がしづらくなります。また歩行障害も出てきて、足がもつれたりつっぱったりするような症状がでる場合もあります。進行すると「膀胱直腸障害」を併発することがあります。これは、尿や便の排泄がうまくできなくなったり、排尿や排便のコントロールができずに漏れてしまったりする障害です。

 

頚椎症性神経根症は、

肩から腕にかけて痛みや痺れが現れます。中高年でこういった自覚症状がある場合は頚椎症性神経根症の可能性があります。痛みの度合いは人によって異なり、日常生活にほとんど支障のない軽いものから、我慢できないほど激しい痛みをともなうものもあります。これらの症状は首を後ろへ反らせる(=神経の圧迫を助長する)と強くなることが多く、首を反らして上を見上げたり、うがいをしたりすることが難しくなります。頚椎症性脊髄症との大きな違いは、下肢症状(ふらつきやもつれ、つっぱり等の歩行障害)や排尿・排便障害といった膀胱直腸障害がないことです。

 

遠絡療法では神経に関連する流れが滞ることによって神経が炎症を起こしていると考えていますので(この炎症は検査ではあらわれないものです)、経絡を応用した治療によって神経とその周囲の循環を改善し、炎症を抑えて組織の修復を速めていきます。

遠絡療法による治療法

 

症状の発症の仕方や性状から障害されている部位を特定します。

 

基本的に中枢性の症状であり、腕や下肢の痛みは脊髄が原因、しびれは脊髄と患部の間の神経線維(脊椎神経)が原因と考えます。おおよそ腕の甲側の症状は頸椎レベルの障害、掌側の症状は胸椎レベルの障害、親指側の症状は腰椎レベルの障害であることがわかっています。症状が広範囲だったり両側性の場合、あちこちに移動するような場合は神経が広範囲に障害されています。

 

多くの場合は脊髄から分岐する神経の根元(神経根)の部分に、圧迫や摩擦などの負荷がかかることによって神経が炎症を起こし、慢性化してしまっています。脊髄や神経根の炎症は、薬や理学療法の効果が到達できない部位であるため、一般的な治療ではなかなか改善しないことが多いです。

 

 

遠絡療法では経絡を応用した特殊な方法によって、脊髄や神経根の炎症を抑え、神経細胞の修復と機能回復を促していきます。

 

ソフトレーザーを用いた治療は、主に脳幹や脊髄の炎症を抑えて、損傷した細胞の修復をはかるために行います。

 

手足の治療点を押す手技は、主に神経根や末梢神経の炎症を取り除き、神経の回復を促します。

 

中枢神経系に直接的にアプローチするため、速やかな炎症抑制と除痛効果が得られます。


また日常生活の中の姿勢や動作が神経への負荷になっているので、症状の進行を防ぎ、回復を速めるためには症状が悪化する状況を少なくすることが大事です。無理をしないで痛みを感じている時間をできるだけ短く抑えるようにしてください。

遠絡療法では原因となっている神経の部位に対応する治療点を利用して神経の炎症やダメージの修復を促進しますので、日常生活を気をつけることと合わせることで、保存的に症状を改善させることができます。

 

実際に治療を開始すると、慢性的な炎症および日常生活の負荷と治療効果との綱引き状態になります。治療直後はいったん良くなって、その後時間が経つと良くなったり悪くなったりを繰り返しながら症状が出にくくなり、治癒していくという経過が多いです。慢性的な炎症が常に治まっている完治状態になるには半年~1年くらいが目安になりますが、症状自体は1週間~3か月でほぼ緩和ができます。

 

何とか保存的に治療をしたい場合や、手術後にも症状が残ってしまっている場合には治療法のひとつとして検討ください。