神経の障害と遠絡療法の効果


神経には脳や脊髄といった中枢神経と、中枢神経と体の各部位をつなぐ末梢神経があります。中枢神経は多数の神経細胞が複雑な回路を形成しており、生命活動に関するあらゆる機能の中枢を担っています。末梢神経は電線のように中枢神経と体のあらゆる部位の間の信号伝達を行っています。各神経の働きによって運動神経、感覚神経、自律神経に分けられますが、実際にはすべてが緻密なコントロールを掛け合うことで、思い通りの自然な動きをすることができたり、無意識でもバランスをとっていられたり、記憶を思い出したりすること、睡眠中など無意識下でも呼吸や体温調整、内臓などがうまく機能しています。神経系は生体機能のほとんど全てのコントロールを担っているので、神経システムの障害は生命にも関わる大きな問題といえます。障害をうけた部位や程度によってさまざまな症状や異常が現れます。例えば脳や脳幹部に出血などが起これば重い後遺症が残ったり、部位によっては死亡してしまう可能性もあります。脳の中心にある視床下部などに問題が生じると自律神経や内分泌異常が起こります。手足の末梢神経が圧迫などの障害を受けると痺れや神経痛などの症状が生じ、もし運動神経が切断されてしまうと障害部以遠が麻痺して使えなくなってしまいます。

 

遠絡療法では東洋医学で考える「気」の通り道である経絡に加えて、血液やリンパ、電気、イオン、気、エネルギーなど目に見えるもの、見えないものをすべて総括した生体の循環を「ライフフロー」と名付け、この流れが滞ることにより様々な症状が現れると考えています。ライフフローの循環は特に神経系との関連性が強く、ライフフローが障害された部位では循環不全によって神経が炎症などを起こし、神経障害としての症状(痛みやしびれを中心とした知覚障害、不随意運動や麻痺などの運動障害、睡眠障害や体温調節障害、気分障害、内分泌異常、血管運動障害による血流や血圧などの異常、自律神経失調などの神経機能障害)が現れます。

 

遠絡療法による神経系の治療

 

ライフフローは体の中をくまなく通っており、この流れを調節するポイントは手足を中心に無数に存在しています。ライフフローを調節できるポイントを治療ポイントと呼び、遠絡療法では身体のあらゆる部位に対応した治療ポイントが設定され、それらを操作することでさまざまな障害部位に対応した治療を行うことができます。

 

身体のあらゆる部位の中には、脳や脊髄という中枢神経系も含まれており、それぞれに対応した治療点が存在しています。この中枢神経系に対応する治療点を使えることが遠絡療法の大きな特長であり、一般の医療では改善しにくい症状にも効果をもたらすことができる理由となっています。

 

例えば、なかなか改善しない手足などの痛みの原因は脊髄の炎症(遠絡療法で考えるライフフローが停滞している状態)と考えています。一般的な注射や薬では脊柱や神経免疫系などで護られている脊髄まで効果を及ぼすことが難しいので、なかなか治らない、一旦良くなってもすぐ戻ってしまう、という状態になります。遠絡療法では脊髄に対応した治療点にソフトレーザーを照射することで、脊髄の炎症を抑え、比較的容易に症状を改善することができます。脊髄のどの高位が障害されているかを判断することが重要なポイントになりますが、長年の臨床研究によって症状と障害高位の関係性がかなり明確になっています。
中枢神経系では、脳や脳幹についても各部位とライフフロー、治療ポイントが定められています。神経活動の最上位である大脳皮質、自律神経や内分泌、体温、睡眠、食欲などの中枢の視床下部や脳下垂体、神経の中継核の視床、運動調節を担う大脳基底核や小脳、呼吸や意識中枢、顔面神経や三叉神経、迷走神経などの脳神経核のある脳幹など、それぞれに対応する治療ポイントがあり、障害部位を特定することによって細やかな治療を行います。このような特徴を有することから遠絡療法においては、一般的に難治性といわれる中枢神経系の障害でも、神経細胞が不可逆性の障害(変性や脱落など)を受けていない限り、回復する可能性はあると考えています。