実際の治療症例  神経の疾患


  1. 筋痛性脳脊髄炎 関節リウマチ 60代女性
  2. 脳卒中後遺症 手足の痛み 40代男性
  3. 脳幹出血後遺症 顔の痛みと麻痺 50代男性
  4. 交通事故後遺症 首下がり症候群 60代女性

ケース1 筋痛性脳脊髄炎 関節リウマチ 60台女性

症状  20年前に関節リウマチ発症、全身の関節炎による痛みが続いている。10年前に左手首の骨折をきっかけにCRPSを発症したが手術で改善。8年前に強い倦怠感と不眠、筋力低下が現れ筋痛性脳脊髄炎と診断される。その後、症状は落ちついていたが、2年前に卵管がんが見つかり手術で摘出、抗癌剤治療を行い、ほぼ治癒するものの、これをきっかけにリウマチによる関節痛と筋痛性脳脊髄炎による全身痛、倦怠感が全体的に悪化した。特に筋痛性脳脊髄炎の症状が強く、週に数日はまったく起き上がれない日があり、それ以外の日も少し家事などをするだけでしばらく休まないと動けなくなる状態が続いていた。
経過

脳および脳幹部の血流と循環を増やして神経細胞の機能回復をはかる目的で施術を開始。特に筋痛性脳脊髄炎の症状の原因と考えられる視床や視床下部に対応する経絡を中心に、全身循環改善との相乗効果を計るために、温熱と遠絡療法の組み合わせ治療を行う。週1回の治療で3回目くらいから体力が続くようになり、外出もできるようになった。たまに強い倦怠感で寝ていなければならない日もあるものの、筋痛性脳脊髄炎の症状は順調に改善し、2ヶ月後には横にならなくても日常生活を送れるようになっている。症状が安定してきたため、2週に1回の頻度に変更し、主に喉の閉塞感と関節リウマチによる関節炎の痛みの治療を継続中。

感想

体力や気力がなくなり、料理も一品作っては横になって休むような生活が続いていたが、筋痛性脳脊髄炎の症状が改善して、ほぼ日常の生活ができるようになってとてもよかった。自分に合って体調を整えることができる治療法やサプリメントなどを続けながら、無理をしすぎないように気をつけながら生活していきたい。

 

ケース2 脳卒中後遺症 手足の痛み 40台男性

症状  脳出血発症後、麻痺は回復したが左側の手足にヒリヒリするような気持ち悪い痛みが残る。病院では視床痛という診断を受け、一般的な消炎鎮痛剤、抗てんかん薬、抗不安薬等を内服するがあまり効果がなかった。
経過

出血による障害があったと考えられる右側の大脳と視床の神経線維の障害が原因と判断し、脳と脳幹部の循環改善による神経線維の修復促進を目的に遠絡療法を施療。初回治療後には左上肢の痛みは消失、左下腿の痛みは半減した。脳神経細胞の問題のため完全に症状をなくすことは難しいと思われたため、1ヶ月に1回程度の継続治療によって痛みが出ない状態をキープしている。

感想

手足の麻痺はないので日常生活動作や仕事はこなすことができていたが、常に左手足に痛みがあって集中力や気力が削がれている感じがあって暗い気持ちだった。遠絡療法を受けると治療直後には痛みがなくなって体が軽い状態がしばらく続くので、精神的にも非常に安定して仕事もすることができるようになった。

ケース3 脳幹出血後遺症 顔のしびれと麻痺 50台男性

症状  脳幹出血を発症し救急搬送、治療によって意識回復し、脳機能障害や四肢の運動麻痺などの重大な後遺症は免れたが、顔面(特に右側)の麻痺としびれ、舌のしびれ、左手の感覚異常亢進としびれが残存した。病院では、幸運にも大きな後遺症が起こらずに済んだので地道にリハビリを続けるように言われて続けていたが残った症状の改善が進んでいない。
経過

脳および脳幹部の血流と循環を増やして神経細胞の機能回復をはかる目的で施術を開始。週1回の治療で3ヶ月後には初診時の症状の3割程度に安定した。舌と左手の感覚異常はかなり改善、顔のしびれも夕方にすこし気になってくるくらいの状態まで回復した。出血によって完全に損傷した神経細胞は回復困難だが、周囲で圧迫などによって機能不全を起こしている細胞の状態が改善したと考えられる。

感想

命を取り留めただけでも幸運なので細かいことはあまり気にしないように、ということはわかってはいるものの、実際に症状が常にあると気分も落ち込んで絶望的な気持ちになってしまっていた。症状はほぼ治らないと言われていたが、いろいろな治療法を探して遠絡療法にたどり着くことができてよかった。症状が落ち着いてくると気持ちも前向きで明るくなってきた。

ケース4 交通事故後遺症 首下がり症候群 60台女性

症状  犬の散歩中にバイクにはねられて頭部を損傷。軽度の脳挫傷の診断で保存的に治療を受けていたが、めまいと耳鳴りが続くことに加えて、急に物忘れが多くなり気分の浮き沈みが大きくなった。さらに頭が前に下がってしまうようになり自分の手で顎を支えないと前を向いていられなくなった。このため背中も大きく曲がってしまい日常生活にも大きな支障となっている。病院では治療の方法はないといわれている。
経過

この場合は、頭を後屈し支える筋力が低下してしまっているために首が下がっていたため、延髄と副神経(頸の後ろ側の筋肉のはたらきに関与している神経)の障害と判断して遠絡療法で脳幹部の治療を中心に行った。また、気分障害や認知障害、めまい、耳鳴りは延髄と間脳を中心とした部位の循環障害が原因と考えられるため、頚椎と間脳も治療対象に追加している。交通事故による外傷を起点として循環障害等の異常状態が続き、慢性的な神経系の炎症を起こしていると考えられる。(画像検査や血液検査などには異常がみられない)脳幹部の改善は比較的長期間の治療が必要となることが多いことから、その点を説明し週1回の治療を根気よく継続することとした。毎回の治療後は特に変化はでなかったが、1ヶ月程度で認知機能や気分障害の改善が見られてきて、その後は耳鳴りやめまいの頻度も下がってきた。3ヶ月頃から少し頭を持ち上げられるようになってきたが、料理や字を書くなど他の事を始めると首が下がってきてしまう。根気よく継続し、1年くらいで頸の筋力自体はやや弱いものの、日常生活動作や車の運転が問題なくできるようになり、頭が支えられるようになったことによって背筋も伸びて正常な姿勢に近づくことができた。

感想

病院の検査では脳に大きな異常はないといわれていたが、いろいろな症状がでてきたことを考えると問題があったんだと思う。常に下を向いていて背中も丸くなってきて、一気に年をとってしまったように感じてとても弱気になったが、少しずつ元気になり、記憶や感情も安定してきて、頭が上がるようになってきてよかった。車が運転できないと何もできない地域なので本当に助かった。